- ヴァルキリーが日本・富士で初参戦、トップ10入りを狙う
- アストンマーティンは2012年からWEC全戦出場、通算53勝・5度のル・マン制覇
- ヴァンテージはWEC100戦目を最多級の勝利実績で迎え、再び表彰台を狙う
2025年9月23日、アストンマーティンは「FIA世界耐久選手権(WEC)」第6戦、富士6時間レースにて記念すべき100戦目を迎えます。2012年の選手権創設以来、全99戦に出場してきた数少ないメーカーの一つとして、耐久レース史に名を刻み続けてきました。これまでに11度の世界タイトル、53クラス勝利(全メーカー中3位)、さらにル・マン24時間レースでは5度のクラス優勝を達成してきた実績を誇ります。

今大会では、ブランドを象徴するハイパーカー「ヴァルキリー」が極東初デビュー。アストンマーティンTHORチームが2台体制で挑み、#007号車はハリー・ティンクネルとトム・ギャンブル、#009号車はマルコ・ソーレンセンとアレックス・リベラスがドライブします。6.5リッターV12自然吸気エンジンは11,000回転まで吹け上がり、1,000馬力超のポテンシャルを持ちながら、規定に従い500kW(約680馬力)に制限。ロードカー由来のカーボンファイバーモノコックを持つ唯一の「公道ベース・ハイパーカー」として、IMSAとWEC両方に参戦する唯一の存在です。
ヴァルキリーはデビューイヤーながら進化を重ね、オースティンでの「ローンスター・ル・マン」では雨の中4位を走行する場面も見せ、過去最高位の予選8番手を獲得。ル・マン24時間でも両車完走を果たし、ハイパーカークラスで初の選手権ポイントを記録しました。ティンクネルは「COTAでの好走に続き、富士でもさらに改善できるはず」と意気込み、ソーレンセンも「ここ数戦で大きな進歩を実感している。富士で突破口を開きたい」と語ります。
一方、アストンマーティン史上最も成功したレーシングカー「ヴァンテージ」も100戦目を迎えます。LMGTE Pro、Am、そして現行LMGT3まで全カテゴリーで勝利を挙げ、通算53勝、68ポールポジションを獲得。特に2012~22年のGTE Amでは33勝を重ね、最多勝マシンとして名声を築きました。富士では過去7勝・16度の表彰台を誇り、表彰台を逃したのはわずか3回のみという相性の良さを示しています。
今回、パートナーチーム「ザ・ハート・オブ・レーシング」は#27ヴァンテージでイアン・ジェームズ、ザック・ロビション、マッティア・ドルーディが参戦。また「レーシングスピリット・オブ・レマン」も#10ヴァンテージで挑み、アントニー・マッキントッシュ、エドゥアルド・バリチェロ、ワークスドライバーのヴァランタン・ハッセ=クロが出場。前戦サンパウロではLMGT3クラス3位表彰台を獲得しており、さらなる好結果が期待されます。
アストンマーティンの耐久モータースポーツ責任者アダム・カーター氏は「WEC100戦目をヴァルキリーとヴァンテージで迎えられることは大きな誇り。これからも積み重ねてきた歴史に新たな章を加えていきたい」とコメントしました。ブランドの象徴的存在である2台が、富士で節目のレースに挑む姿は、アストンマーティンの「継続と挑戦」の精神を体現するものとなります。
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