- 1995年開館以来、延べ400万人以上が来場、地域文化にも大きく貢献
- 1,800㎡の展示空間に約50台の自動車や試作車、航空エンジンなどを展示
- 開館30周年とブランド創業130周年を記念する特別展を開催中
チェコ・ムラダー・ボレスラフに位置するシュコダ・ミュージアムが、2025年で開館30周年を迎えました。1995年、シュコダ創業100周年を記念してオープンした同館は、これまでに延べ400万人以上の来場者を迎え、地域の文化的中心としても発展してきました。

ミュージアムは20世紀初頭に建設された歴史的な産業建築を活用し、かつて自転車やバイク、エンジンや自動車を製造していた場所に設けられています。2012年には大規模な改装が行われ、現在は1,800㎡の展示エリアを「トラディション」「エボリューション」「プレシジョン」の3つに分けて構成。常設展示として約50台の自動車、5台のバイク、2台の自転車を公開し、別棟のリポジトリには23台の試作車やレーシングカーを収蔵しています。
また、2018年からは1926年製の航空機用エンジン「L&K–ロレーヌ=ディートリヒ450」を展示し、創業者ローレン&クレメントが歩んだ航空分野の歴史にも光を当てています。館内には多目的ホール「ローレン&クレメント・フォーラム」やカフェ、レストラン、ショップも併設され、文化イベントや教育プログラムも積極的に開催。大人から子どもまで楽しめる地域の交流拠点としての役割も担っています。
テーマ展示も充実しており、最新モデルや学生プロジェクト、歴代スーパーブや「RS」50周年、1000 MB誕生60周年、サステナビリティに関する企画など、多彩な企画展を開催。世界中から訪れる観光客を魅了し、2006年に100万人、2025年1月には400万人の来場を達成しました。
今年はミュージアム開館30周年に加え、シュコダブランド創業130周年という節目の年でもあり、両方を記念する特別展が年末まで開催されています。シュコダ・ミュージアムは、歴史と未来をつなぐブランドの文化的アーカイブとして、今後も多くの人々にその魅力を発信し続けます。
【ひとこと解説】
L&K–ロレーヌ=ディートリヒ450は、1926年に製造された航空機用水冷直列12気筒エンジンで、排気量27リットル、最大出力約450馬力を発揮しました。フランスのロレーヌ=ディートリヒ社とチェコのローレン&クレメント(L&K)が技術提携して開発し、輸送機や軍用機に搭載されました。高い信頼性と耐久性を持ち、当時の航空産業に大きく貢献。現在はシュコダ・ミュージアムに展示され、自動車メーカーの航空分野への挑戦を示す歴史的遺産となっています。
コメント