85年の時を超えて。ベントレーが仲間への追悼を込めた「2025リメンブランス・カー」を公開

ベントレーが「リメンブランス・デー」に合わせて特別仕様ベンテイガEWBアズールを製作
第二次大戦中、空襲で命を落とした17名の同僚を追悼し、85年後に彼らの名を刻む
英国防省や地域団体と連携し、記念イベントやレースで全国を巡回予定

ベントレーモーターズは「リメンブランス・デー(戦没者追悼の日)」に合わせ、特別仕様車「2025リメンブランス・カー」を発表しました。ベースとなるのはベンテイガEWBアズールで、同社のデザインチームと従業員ネットワーク「BeReady」により共同開発された、世界に1台だけの追悼モデルです。

今回のモデルは、バトル・オブ・ブリテン(英国本土航空戦)と、85年前のクルー爆撃で命を落とした17名の同僚たちへの追悼をテーマにしています。彼らは当時、ロールス・ロイスの「マーリン」航空エンジンの製造に従事しており、その功績と犠牲に敬意を表したデザインが随所に反映されています。

外装はサテン・アルティカ・ホワイトで仕上げられ、サイドには航空機のシルエットと、そこから舞い落ちる真紅のポピー(追悼の花)が描かれています。ポピーは車体後方へ向かうにつれ大きくなり、記憶と敬意の広がりを象徴します。さらに、金属ゴールドで刻まれた17人のイニシャルがピラー部に配置され、フロントグリルには「85」の数字を刻印。車内にも特製のポピー刺繍が施され、戦禍から85年を経た追悼の意を込めています。

ベントレー・モーターズのデザインディレクター、ロビン・ペイジ氏は、「このプロジェクトは私たちの記憶と尊敬の象徴です。ポピーの流れやゴールドのイニシャル、すべてのディテールが犠牲者の勇気と遺産を未来へ伝えるものです」とコメントしています。

また、製作に携わった「BeReady」ネットワークは、退役軍人や現役予備役社員を支援するベントレーの多様性・公平性・包括性(DEIB)推進組織の一つであり、メンバーにとっても深い意味を持つプロジェクトとなりました。

製品ラインディレクターのクリス・コール氏は、「ベントレーは世界中の軍人への敬意と支援を続けています。今年は英国『アームドフォース・コヴナント』でシルバーステータスを獲得し、特にクルーでの17名の犠牲者に焦点を当てた追悼を行います」と語っています。

「リメンブランス・カー」は今後、クルーをはじめとする英国各地で開催される記念イベントに参加予定です。まず、ウェールズ・アングルシー島の「レース・オブ・リメンブランス」ではコースカーとして登場し、戦没者を讃えるイベントを支援。その後、11月11日にはクルー本社で社内追悼式に展示され、11月18日にはチェシャー州主催の表彰式でも披露される予定です。

静かに佇む一台のベンテイガは、85年前に犠牲となった仲間たち、そして平和のために尽くしたすべての人々への永遠の敬意を象徴しています。

【ひとこと解説】
リメンブランス・デー(Remembrance Day)は、第一次世界大戦の休戦日である1918年11月11日に由来する、戦没者を追悼する英国の記念日です。毎年11月11日に行われ、戦争で命を落とした兵士や市民に敬意を表します。象徴として用いられる赤いポピー(ひなげし)は、戦場跡に咲いた花に由来し、犠牲者への哀悼と平和への祈りを表します。英国全土では午前11時に黙祷が捧げられ、記念式典や行進が行われます。

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