- 新技術「オンブレ」により、2色をなめらかに融合させた塗装をセダンに初採用
- フライングスパーでの施工には熟練職人2名が約60時間を要する
- 英国仕様車をサウサンプトン国際ボートショーで初披露、注文受付も開始
ベントレーは、独自の新塗装技術「Ombré by Mulliner」を初めて4ドアセダンに適用したモデルを発表しました。対象となるのはフライングスパーで、車体全体にわたり2色が美しく溶け合うグラデーションを実現。手作業で仕上げられるこの技術は、ベントレーのクルー工場「Dream Factory」に所属する熟練ペイント職人によって施工されます。
今回披露された英国仕様のフライングスパーは、フロントに鮮やかなトパーズブルー、リアに深みのあるウィンザーブルーを配し、車体中央からルーフにかけて色が段階的に移り変わる設計です。この作業には2名の熟練技術者が約60時間をかけ、前後に別々の塗装を行った後、伝統的な調色法を用いて段階的に塗り重ねることで対称性のあるグラデーションを完成させます。

「オンブレ」塗装は、このブルー系に加え「サンバーストゴールドからオレンジフレイム」、「タングステンからオニキス」への変化の3種類が用意されています。色の組み合わせは意図しない中間色の発生を避けるため厳選されており、各色の特性を見極めながら塗装を行うため、1台ごとに仕上がりは微妙に異なるものの、肉眼で見た際の完成度は完璧に保たれます。
この新技術は、2025年のモントレー・カーウィークにてコンチネンタルGTで初披露されたもので、今回のフライングスパーがセダンとしては初の適用車。初公開の場は9月19日から28日まで開催されるサウサンプトン国際ボートショーで、ベントレーブースにて展示されます。

「Ombré by Mulliner」はベントレーのグローバル販売ネットワークを通じて注文可能で、今後さらに新たなカラーバリエーションが追加される予定です。ブランドのクラフツマンシップと革新技術を融合させたこの塗装は、ベントレーの唯一無二の個性を際立たせる新たな選択肢となります。
【ひとこと解説】
「オンブレ(Ombre)」とは、フランス語で「影」や「濃淡」を意味する言葉で、色が徐々に変化していくグラデーション表現を指します。ファッションやヘアカラー、インテリア、デザインなど幅広い分野で使われ、明暗や色相の移り変わりを滑らかに演出する技法です。近年では自動車塗装にも応用され、複数の色が自然に溶け合うことで立体感や高級感を強調し、唯一無二の美しい表情を生み出します。
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