ベントレー、クルー本社に「エンジニアリング・テクニカルセンター」を開設。電動化戦略を加速する新たな中核拠点

  • 英クルー本社に総面積13,000㎡の最新研究開発拠点を新設
  • プロトタイプ開発からソフトウェア統合まで一貫した体制を整備
  • 「Beyond100+」戦略の下、2035年までに全モデルEV化を目指す

ベントレーモーターズは英国クルー本社において、最先端の研究開発拠点「エンジニアリング・テクニカルセンター」の公式オープニングを迎えました。開設式には、会長兼CEOのフランク=ステファン・ワリサー博士と、R&D担当取締役のマティアス・ラーベ博士が出席。新施設は今後のモデル開発を支える要となるもので、ベントレーが掲げる電動化戦略「Beyond100+」の推進に欠かせない存在と位置づけられています。

この新センターは総面積13,000㎡、2フロア構成で、将来のモデルに向けたプロトタイプワークショップ、最先端の材料研究部門、そしてソフトウェア統合部門を備えています。バーチャル開発と実車検証をシームレスに連携させることで、設計から試験、そして量産準備までを効率的かつ高精度に実行可能。特に電動パワートレインや高電圧システムに関する開発体制の強化が図られ、ソフトウェア定義車両(SDV)時代にふさわしい研究環境が整備されました。さらに、従業員の高度なスキル向上を目的としたトレーニング設備も含まれ、技術者が新しい知識や手法を迅速に習得できる仕組みが導入されています。

従来これらの部門は、ピムズ・レーン工場内で最も古い「A1ビル」に配置されていました。しかし同施設は現在改装が進められており、2027年にはBEV(バッテリー式電気自動車)専用の組立工場として稼働を開始する予定です。これにより、研究開発から生産までの全体プロセスが効率化され、ベントレーの電動化戦略における重要なマイルストーンが築かれることになります。

ラーベ博士は「私たちのBeyond100+戦略は、現在の技術を基盤としつつ、まだ発見されていない未来のテクノロジーも積極的に取り入れるものです。新しいテクニカルセンターは、この変革を現実にするための重要な建築ブロックであり、最もラグジュアリーでパフォーマンスに優れた車を創造する礎となります」とコメントしました。

ベントレーはすでに未来を見据えた設備投資を進めており、新デザインスタジオが稼働を開始。また2026年には最新塗装工場と統合型ロジスティクスセンターが開設される予定です。さらに2027年以降は、毎年1車種以上の新しいハイブリッドまたはEVモデルを市場投入し、最終的に2035年までに全モデルを電気自動車へ移行する計画です。

今回のテクニカルセンター開設は、85年以上にわたり高級車を生産してきたクルー本社を次の時代へと進化させる大きな一歩であり、ベントレーが自動車業界の電動化とデジタル化の最前線に立ち続ける姿勢を示すものです。ラグジュアリーとサステナビリティを融合させた未来のモビリティを築くため、同社は引き続き革新を重ねていくことを強調しました。

【ひとこと解説】
ベントレーの「Beyond100+」戦略は、2035年までに全モデルを完全電動化することを柱とした長期ビジョンです。2027年からは新型BEVの生産を開始し、以降毎年少なくとも1車種の電動モデルを投入予定。カーボンニュートラルな生産体制の確立や次世代ソフトウェア・自動運転技術の導入も含み、ラグジュアリーとサステナビリティの両立を目指します。従来のクラフトマンシップを維持しながら、持続可能な高級車メーカーへの進化を加速させています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次