- 世界初公開となるステーションワゴン型ハイブリッド「SEAL 6 DM-i TOURING」登場、航続距離1300km超を実現
- コンパクトEV「DOLPHIN SURF」がEuro NCAPで最高評価5つ星獲得、ハンガリーで欧州初生産へ
- 新制度「BYD Certified Pre-owned」発表、179項目の検査やバッテリー保証で中古車でも安心を提供
中国の新エネルギー車メーカーBYDは、2025年9月8日にドイツ・ミュンヘンで開幕した「IAAモビリティ2025」において、新型ハイブリッド車「BYD SEAL 6 DM-i TOURING」を世界初公開しました。同モデルはBYD初のステーションワゴンタイプで、独自のDMテクノロジーを搭載し、航続距離は1300kmを超えると発表されています。欧州市場に向けたフラッグシップ的存在として注目を集めました。
同じく会場では、コンパクトEV「BYD DOLPHIN SURF」がEuro NCAPで最高評価となる5つ星を獲得したことが明かされました。さらに、同モデルは2025年末に稼働予定のハンガリー・セゲド工場における第1号生産車種に決定。安全性と品質で高評価を得ると同時に、欧州初の現地生産モデルとなることで、BYDの欧州市場への本格的な進出を象徴しています。
また、BYDはEVの充電速度を飛躍的に高める「フラッシュチャージ」の欧州導入計画も発表しました。この技術は「油電同速」というコンセプトに基づき、1秒あたり2kmの走行距離に相当する充電速度を実現。IAA会場では欧州初となる1000kW級のフラッシュチャージのデモンストレーションを行い、わずか5分間で約400km分を充電可能であることを実証しました。2026年第2四半期までに200〜300基のメガワット級ステーションを設置予定で、DENZAブランドが先導するとのことです。
さらに、BYDは新しい認定中古車制度「BYD Certified Pre-owned」を開始します。本制度では179項目の厳格な検査に加え、バッテリー健康状態90%以上の保証、包括的な保証サービス、ロードサイドアシスタンス、データサービスが付帯されます。これにより、中古車でも新車同様の安心感を提供する仕組みを整えました。
今回のIAAでは、昨年の「BYD SEAL U」に続く拡充で、欧州ラインアップが6車種から13車種に拡大。会場外ではDENZAブランドの「Z9GT」やMPV「D9」も展示され、BYDの欧州戦略がさらなる段階に入ったことを示しました。
【ひとこと解説】
DMテクノロジーとは、BYDが独自に開発した「Dual Mode(デュアルモード)」ハイブリッドシステムの総称です。エンジンと電動モーターを最適に組み合わせ、電動走行とエンジン走行を状況に応じて切り替え、効率的に駆動します。これにより低燃費と高出力を両立し、長距離航続も可能になります。特に最新の「DM-i」では電動走行を重視し、市街地ではEVのような静粛性と経済性を発揮しながら、高速走行や長距離移動ではエンジンを活用することで利便性を高めています。
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